ソフトバンク「つながりやすさNo.1」に疑問

#013(2014/02/06)

ソフトバンクのCMはいつも印象的ですね。ただどのキャリアでも伝えたいことはただ1つだと思います。つながりやすいのはどのキャリアなのかユーザー調査の結果から見てみます。

まだまだ寒いです

大寒波が襲って寒い日が続いています。前の寒波の時に私はちょっと体調を崩してしまいましたので、気をつけて下さい。何かしら忙しくて2月に書き終わっていないことに気づきました。ちょっと古いですが、せっかくなので掲載はします。

キャリア間つながりやすさ紛争

つながりやすさについて日々キャリア間での抗争が続いています。auは電波がビルなどの間を回り込むプラチナバンドの実人口カバー率が99%であることを売りにしています。ドコモは「Strong」を掲げ、基地局数倍増や4つの周波数の活用、6セクタ基地局の設置などを売りにしています。ソフトバンクについては以前紹介しましたのでそちらを見てもらうとします。

携帯電話情報局支部
ソフトバンクのつながりやすさNo.1の通信&技術−フテーキジ|CPISCatch

そして、大手の調査会社がソフトバンクが一番つながりやすいという結果を出しました。ただその結果は、主要都市での測定結果です。ユーザーはどのキャリアがつながりやすいと感じているのでしょうか。

ユーザーは満足してますか?

ネオマーケティングが「47都道府県別 iPhone5s/5c つながりやすさ満足度調査」を実施しました。調査実施日は11月14日から12月5日。調査対象は、ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」の登録モニターのうち全国の18歳から69歳までの男女1830人。

ネオマーケティング
アイリサーチ独自調査レポート|発売2カ月!47都道府県別 iPhone5s/5cつながりやすさ満足度調査

「あなたが現在、主に利用している携帯電話の通信会社(キャリア)に関して『通話・通信品質・エリア』全体としてあなたは満足していますか。」という質問に対し、各都道府県で「満足している」「やや満足している」と回答した割合が多いキャリアを満足度一位とした結果が下の日本地図です。見ても分かるようにオレンジ色が多いですね。auが31県、ドコモが6県、ソフトバンクが2県、引き分けが8県という結果です。

都道府県別×キャリア別一覧もありましたので、そこから満足度一位都道府県数に出てこない具体的な数字を比較してみましょう。といっても47都道府県すべて見るのは大変なのでグレーゾーンである引き分けの都道府県をピックアップしてみます。

北海道や鹿児島県では「ドコモさん、頑張って」という状態ですが、青森県、埼玉県、福井県では「ソフトバンクさん、どうしました?つながりやすさNo.1を押すわりには、ひどくないですか。」とあきれる結果ですね。青森なんて10%ですよ。

auはまんべんなく素晴らしい結果ですね。特に山形県、福島県、愛知県、滋賀県、香川県、沖縄県では100%ですか。今回の調査に協力したユーザーにはしっかりと実感してもらっているようですね。

ドコモについてはまんべんなく平均的な結果ですかね。もう少し改善した方がよい所もありますが、契約数も多いですから全ユーザーに満足してもらうのは難しいですからね。

さて、ソフトバンクですよ。今回の調査したユーザーさんだけが不満足でも問題だと思いますよ。なにしろ、さっきも出ましたが青森県で10%をはじめ、富山県、岐阜県、大分県、沖縄県で20%という結果ですよ。たしかにソフトバンクのLTEはプラチナバンドである900MHz帯がまだ対応していないということもあるかもしれませんが、私はユーザーの意見を尊重します。ちょっと「つながりやすさNo.1」を大々的に出しすぎていますよね。

ユーザーの不満は?

「あなたは現在、主に利用している携帯電話に関して、どういう時に不満を感じますか」という質問に対し、項目ごとに「よく感じる」「たまに感じる」と回答した割合の結果が下のグラフです。グラフ上の10項目は回答数上位を抜粋したものです。全体での不満は「LTEにつながらない」で21.9%でした。

このグラフでも見てすぐに思うことは10項目のうち8項目でソフトバンクユーザーが最も不満に思っているということです。特に「LTEにつながらない」が25.9%、「他の携帯電話の通信会社(キャリア)がつながっている場所でつながらない」が28.7%という残念な結果でして、ソフトバンクのiPhoneのCM「iPhoneいつでもどこでも」篇で「1番つながるソフトバンクでiPhoneを」といっていることと矛盾するわけですね。

つながりやすいの判断は難しい

つながりやすさを調査することは一般的に難しいです。ネットワークは時間や場所、天候などでつながりやすさは変わってきます。大きな店ができればつながりにくくなる可能性は十分にあります。auやソフトバンクは800MHzや900MHzのプラチナバンドでつながりやすいと強調していました。たしかに、プラチナバンドは障害物を回り込んで電波が届く性質があるため、2GHzなどと比べればつながりやすいですが、プラチナバンドだからつながるというわけではありません。各キャリアともネットワーク状況を監視し、日々つながるように調整をしています。

特にソフトバンクはiPhoneでのプラチナバンドの恩恵はまだ受けていません。そうはいってもauやドコモと違ってAXGP方式でAndroidスマートフォンのトラフィックを受けていますから、LTEはiPhoneユーザーだけになります。(今は違いますが…。)だから、条件が違うのでなかなか比べるのは難しいのです。

最後に一言

ソフトバンクはビッグデータを日々解析してつながるように努力はしていますし、サービス改善もやっているようです。しかし、ユーザーからの満足度は高くないのが現実です。好き嫌い分かれる経営者だからですかね。